『ALLIANCE - 人と企業が信頼で結ばれる新しい雇用』を読みました!シリコンバレーのテック業界では、プロ野球リーグの選手に近い形でタレントが自分の目指すキャリアに応じて、働く場所を変えていく。特に変化の激しいドラスティックな業界の中で生まれた、企業と従業員(個人)との間の新しい「相互に信頼し、相互に投資する関係」について書いた本です。
この本の中で特におもしろかった部分を中心に書いていきます!
😸 アライアンスとは?
まずは、この本でいう「アライアンス」とはどんなことかについて。
- 会社と個人が「中・長期」の期待値のすり合わせを行い、「相互に信頼と投資」を行う
- アライアンスの形態は個人の資質、会社・環境によって、組み合わて組織を構築する
- 個人の有りたい姿を探しだし、その目標に結び付く手段を会社がWin-Winになるために用意する
- コミットメントを会社・個人が達成できるようにチェックポイントを作り、相互に評価をする
😎 個人(働く側)にとって大切なこと
ではその「アライアンス」を構築するために個人に取ってどんなことが大切かについて。
- 「自分自身のキャリアに積極的に投資しなければ」と切迫感をもつこと
- 会社を「自分がやりたい仕事を行うための場所」と位置付け、活躍できる環境を作り出す
- コミットメント => ミッションを2-5年の期限内に成し遂げることに専念し、そこに個人の信用を賭ける
- 会社外の人脈ネットワークの重要性 => 競合は何をしているのか?技術トレンドは?といったことを知れる
🚌 人の上に立つ立場として
個人的にはこの部分は、今までの実体験からもそのとおりだと思う。
- 自分の部下の成長を手助けすることは自分の義務だと認識している
- 最高の社員が自らの意思でこの会社に居続けよう、時間を投資してみようと思える環境を提供すること
🏀 企業に取って大切なこと
企業の立場として、このアライアンスの関係を作ることのメリットや関係を維持するために大切なこと。
- 組織の柔軟性 => 状況に適応するためにチームをリファクタリングできるようにすること
- 長期的な視点で成長を考えられること => たとえば創業社長のように長期の視点で企業の成長を考えよう
- 昇進や他人の目を引くような成果は全体の20%しかない。小さくても着実な変革を評価する
- 卒業生とのつながりを大切に => ネットワーク情報収集、優れた人材の紹介など、ROIは高い
🐞 アライアンスのひな型
アライアンスのひな型的なもの、これをベースに個々の企業、個々の従業員ごとにすり合わせを行えばいい。
- コミットメントの内容と期間
- 企業が従業員に対して、どんなキャリアを提供できるか
- 従業員は企業に対して、どんな貢献ができるか
- その詳細は何か、どのくらいの期間を必要とするのか
- 人材ネットワークによる情報収集について
- 個人のSNSを活用して人材ネットワークを気付いてほしい
- 企業は社内の機器、設備、経費を提供するので、人材ネットワークを問題解決に役立ててほしい
- 卒業生(退職者)と企業とのネットワーク
- メーリングリストや社内SNSを活用し、お互いのビジネスの課題解決を行う相互補助の関係を築く
🍄 あとがき
終身雇用とは違う形で企業と従業員がお互いに対等な関係を気付き、「企業が提供できるキャリア」と「個人が提供できる問題解決」をマッチングさせることの大切さを説いた本でした。
より合理的な関係を企業と従業員が築きあげることは、お互いにとって大切で、なにより楽しく働くためにこの考え方が広まっていってほしい。