顧客開発の本当のすばらしさを体験できる勉強会「顧客開発1日ワークショップ」


10/6に品川で開催された『One Day LeanStartup -顧客開発1日ワークショップ-
に参加しました。このワークショップの講師の方々は、『アントレプレナーの教科書』や『スタートアップ・マニュアル』などの翻訳を担当された堤さんと飯野さんでした。お二人は、新規こと業のご経験や、ベンチャーキャピタルでの投資などの経験を豊富に持っておられて、今までの失敗も含めた経験を余すことなく伝えようという情熱をすごく感じました!

講義の内容は、本来は数日間かけて行顧客開発モデルのワークショップを8時間に凝縮した形式だそうです。このような制限でしたが、逆に半日の中できるだけ多くのことを伝えようとしてくれたおかげで、内容が濃かったのですごく学びの多い勉強会でした!

いつ戻おり、このワークショップの中から特に参考になった点をつらつらと書いていきます。


🍮 顧客開発モデルとは

スタートアップが共通して失敗しやすいのは、『作ってみたけど実はお客さんがいなかった』というパターン。これを防ぐために考案されたモデル。作る前にできるだけ早く、切実にその製品を欲しいと思ってくれる顧客を探しだして、その顧客へのインタビューを通じて仮説の検証を行う。

話の中で、「顧客開発モデル + アジャイル開発 → リーンスタートアップ」であるという点や、「製品の開発段階から再現が可能でスケーラブルなビジネスモデルを模索するのが顧客開発モデル」というのがありました。これはすごいロジカルでメイクセンスです!

🗻 従来のやり方と顧客開発モデルの比較

従来のやり方は、「コンセプト → 製品開発 → テスト → 宣伝や発売 → 誰も欲しがらないことに気付く」という流れ。これだと失敗した時にすべてのエネルギーが無駄になる。

一方で顧客開発モデルでは「コンセプト → 仮発売 → 誰も欲しがらないことに気付く」という流れ。コレだと、従来のやり方よりも無駄になるエネルギーが少なくてすむ。また従来よりも何度もピポットできるので、回数が増えることで当たる確率を上げることができる。

😼 大企業とスタートアップの仕事の本質的な違い

大企業はビジネスモデルが確立しているので、仕事は計画 => 実行のルーチンワークとなる。一方でスタートアップは、再現可能でスケーラブルなビジネスモデルを模索することが仕事になる。根本的な仕事の質が異なる。これもなんとなく感じていたことだったので眼から鱗でした^^

🐹 顧客開発モデルのフロー

顧客開発モデルのフローは次のとおり。

顧客発見 → 顧客実証 → 顧客開発 → 組織構築のフロー
(顧客実証の段階でピポットを検討 → 顧客発見に戻る)

各段階の簡単な概要は次のとおり。

顧客発見:製品に対して切実な要望を持つ顧客(アントレプレナー)を探しだす
顧客実証:本当に儲かるかを検証。営業ロードマップ、AARRR!、MVP必要最小限を追求
顧客開拓:顧客へのリーチ手法やPR施策などのマーケティング面の検討
組織構築:ミッション志向の経営でビジネスモデルを効率的に実行出来る組織を作る

ちなみにAARRR!はこちらのスライドがわかりやすいですよ。

From データドリブン経営のメトリクス分析 AARRR!モデルの紹介

ミッション経営についてはこちらのPDFがオススメ。

ミッション経営 PDF

🚜 顧客開発実践のキーコンセプト

いくつかの興味深いキーコンセプトがあったので、順不同で紹介。

ニーズのメカニズム

ニーズのメカニズムとは『課題不満、要望 → その裏にはやりたいことがある → 現場対策をしているが依然課題がある → 欲しい』というもの。電動ドリルを例にすると、『壁に穴を開けたいが力がないから空かない → 旦那に頼むがすぐにはやってくれない → 欲しい → 電力で穴を開ける電動ドリル』といったこと。アジャイルのストーリーマッピングに近いが、よりWHYを追求している点が異なります。

ちなみにクックパッドでは、EOGS(Emotion Oriented Goal Setting)と呼ばれる手法を使って、このニーズを徹底的に追求しているそうです。

EOGS(Emotion Oriented Goal Setting)
From 「Lean Startup」理論を実践するクックパッド、補完ツールも作成

仮説発見

切実な理由があって、リスクを承知で新製品を買ってくれそうな顧客(アーリーアダプタ)を探しだす。ただしこの段階で製品を見せると製品に対する批評に話が進む。できるだけ製品・デモを作らずに必要な情報をヒアリングすることが大切。想定顧客はアポイントが取れるようなレベルまで具体化する。(ペルソナレベルまで具現化する)。また、一人のアーリーアダプタが見つかったら別の知り合いを紹介してもらうのも有効だそうです。

仮説検証

「仮説構築 → 実験設計 → 検証 → 学び」を行う。理科の実験のように、仮説を実証できるように検証を行う。検証の際にはできるだけコストをかけないようにして、ピポットできるようにする。ピポットする場合は、適切にファクターを見つけ出すために特定の要素だけを変更するようにする。

仮説検証の直接的な目的は次のとおり。

* ニーズとそのメカニズムの存在確認
* プロダクトマーケットフィットの確認
* 製品がニーズを満足できるか、その時の対価は想定どおりか確認
* 顧客のペルソナを確率、日々の生活や、価値観を知る

こういったことを通して顧客のさまざまなインサイトを模索していくそうです。

ビジネスモデルキャンパスとは

ビジネスの構成要素を一枚で俯瞰することができる書類。個々の要素ごとに仮説を立て、顧客発見と顧客実証を通じてその有効性を検証するために作る。

ビジネスモデルキャンパスについては、こちらのブログ『話題のビジネスモデル・ジェネレーション(設計書)を徹底解説!』がオススメです。

マルチサイドビジネスモデルの場合

マルチサイドビジネスモデル(複数人の顧客がいるビジネス)の場合すべてのサイドの顧客仮説が必要になる。そして、すべてのサイドの顧客へのインタビューによる仮説検証が必要となる。

インタビューの心構え

1対1を大切に、事前に目標を明確にして嫌なコメントに傾け、批判を歓迎する。Whyを聞くようにする。変だなと思ったら、Why => 真のDoニーズを探しだす。売り込まない、聞くことに徹する。

インタビュースクリプト

インタビューのフレームワークは次のような流れで作るとのこと。

イントロ:自己紹介、売り込みや営業目的ではない事、自分の目的を伝える
相手の属性をチェック:相手のバックグラウンドや生活スタイル、趣味などを聞く
課題の存在確認:課題の存在確認とアーリーアダプターかどうかを聞き出す
課題の切実度確認:実際にやっている対策を聞く。現状対策に不満がないか聞く
課題と解決策の整合性を確認:ソリューションを提示して課題が解決できるか確認
クロージング:知り合いのインタビュー候補を聞く。目標や注目している人を聞く

インタビューできる人を探しだすためのTips

Facebook広告を使えば安価できる人を探せる → アンケートを通して、アントレプレナーの候補を探しだす → Facebook/Skypeを使って実際にヒアリングを行う」というもの。地道ながら、なかなかおもしろい手法だと感心しました!

顧客検証の留意点

顧客検証において、留意すべき点は次の4つ。

* 顧客不在リスクを低減するものであり、それが非常に少ない事業には向かない
* 時間がかかる => 顧客開発をしない場合との比較において
* 経営者や投資家など他のステークスホルダーの支持が必要
* ステルスモードでない => 顧客が本当にいるかどおかの方がずっと大切

🏈 まとめ

新規こと業想像の失敗は、製品開発の失敗よりは、製品が売れないことに起因することが多いので、顧客開発モデルはスタートアップにとってはほんとうに重要。また、製品・サービスの開発中から、小さな実験n回をすばやく繰り返し、徹底的に顧客を研究開発して、売れないリスクを低減できるので、そのメリットを有効に活用すべきとのこと。

🐯 感想

僕の頭では全然噛み砕けていないので、散文ですみませんでした。

ワークショップではビジネスモデルに対して参加者どうしでヒアリングを行い、自分のビジネスモデルに対しても意見を多く伺うことができました。ただアントレプレナーな方には出会うことができなかったので、これからも積極的に継続して、ビジネスの可能性を探していきたいと思います! ということですごく実りの多いワークショップでした^^

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