ゼロ・トゥ・ワン君はゼロから何を生み出せるか[書評]


遅ればせながら、『ゼロ・トゥ・ワン―君はゼロから何を生み出せるか』を読みました。

作者のピーター・ティールはペイパルの創業者で、ペイパルの創業メンバーはイーロン・マスクをはじめ、
YouTubeやリンクトインなど10億ドル企業を次々と創業した『ペイパルマフィア』の一人。

USのスタートアップ業界で圧倒的な影響力のある人がこれまでの人生の中で大切にしてきた『ゼロから何を生み出せるか』
という哲学に対して、いくつかのヒントを与えてくれている本。明確な答えを書いたような本ではないけど、
彼が本当に大切だと思っていること、それを自分の頭で考えるための材料を教えてくれる本です。

今回はこの本を通しておもしろかった話を中心に書いています。


🎃 ゼロからイチを創りだす

この本で一番いいたいことは、タイトルのとおり「ゼロからイチを生み出す」ことの重要性だと思う。
この一番のメリットは市場を独占できること。社内、社外の『競争』がいかに無駄かを説いている。
健全な市場競争が成立している資本主義経済においては、利益は限りなくゼロに近付く。
その原理原則を避けるためにはその市場を支配し、競争の原理から外れる必要がある。

書いてしまえば一見当たり前のことだけど、名著といわれるさまざまな書籍などの中でも、
これと矛盾したことが書かれている。今までそれらを信じていたんだなぁと実感した。

おもしろいエピソードとして、HPの話があった。1990年代-2000年代にHPは、ラップトップや
プリンタ複合機などを「発明」して栄華を極めた。だがその後、社内の競争によって
機能不全となり、やがて時価総額は半分になっていた。
自分たちの終始している競争が、ビジネスの中で人生の中でいかに無駄なものなのか、
過去の経験を通して、もっと知るべきだと思う。

🍄 セールスとプロダクトは同じくらい大切

この本を読むまでは自分がエンジニアとして、よいモノを作り出せればビジネスになると本気で信じていました。
でも、セールスとプロダクトは同じくらい大切で、『本気で売る努力』をしなければそのプロダクト
は絶対に売れない。セールスができるプロダクトの価格帯を十分に意識したプロダクトを作りをしなければ、
その商品を売る方法はなくなる。

それと合わせて大切なことは、小さな市場を独占することから始めること。小さな市場を独占できずに、
大きな市場に踏み出せるはずがない。今までの経験を通しても身につまされる事実だと思う。

🎂 既存プロダクトとは10倍の違いを生み出さないといけない

競争相手を見誤ることなく、既存プロダクトを見比べないと『ユーザーから見た市場』を見誤ると思う。
そして、その10倍を生み出せなければ、その市場を独占することはできない。これは自分が消費者だった
時には意外と当たり前の事実だと思う。CMで『20%向上』といわれても、ふーんとしか思わない。

これは何もスタートアップだけにいえることではない。大企業の既存製品だったとしても、常にそれを
自問自答して10倍の違いを生み出すための「実効可能な計画」を推し進める必要があると思う。

😼 常識だと信じすぎてはいけない

僕らは、ダーウィンの進化論を信じすぎていなんにでもその理論を適用しようとする。
リーンスタートアップはスタートアップのバイブルだといわれるが、あの本が出てどれだけの人が
あの本を信じ、実践して、結果がどうだったか。自分の頭で考えるべきだと思う。

「インテリジェント・デザイン」という言葉を知りました。宇宙や自然が偶然の産物ではなく、意図や目的
を持って『偉大なる知性』によってデザインされたと考える理論だそうです。少なくとも自分のプロダクト
に対して、自分がインテリジェント・デザインを持たずに誰がもつというのだろうと思う。

🏈 ひとつのもの、ひとつのことが他のすべてに勝る

自分自身が起業に失敗した経験をもつからこそそのとおりだと思うひとつの言葉を見付け足。

もしあえて起業するなら、一番大切なのは「ひとつのもの、ひとつのことが他のすべてに勝る」ことだ

ある市場はそのほかすべての市場にまさる。たいていの場合、ある販売戦略がほかのすべてを支配している。
起業した時この言葉をわかっていなかった。今思うことは、この言葉を理解して残りの人生でそれを
自らそれつかみ取るためにどう行動し、何をすべきかということだと思う。

🚜 一緒にビジネスをやるために大切なこと

10億ドル企業を次々と創業したペイパルマフィアの仲間を選ぶ基準は『共謀者』を選ぶことだったそうです。
一緒に働くことを心から喜んでくれる人を採用すること。そして、仕事を超えた固いつながりをもつ場所にする。
ひとつのことに責任をもつようにして社内での争いが起きないためのしくみを作ることを重視されたそうです。

みんな思っていることは一緒だと思うけど、それを実現し、維持することは並たいていのことではないはずだ。

🎳 Kindle Voyageいいよ!


この本ですが、『Kindle Voyage』で読みました。kindleは6インチでちっちゃいから読みにくい
とか、白黒残念とか脳内で妄想していました。でも買ってみると自分の読書体験を塗り替えるほどのプロダクトでした。
何より読みやすい、読書が楽しいです。voyageなら、画面もめっちゃきれいです。

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